本来人間は、本能的に自身のDNAを増やしたいと考え、行動する生き物です。（リチャード・ドーキンス「利己的な遺伝子」より。）

　浮気も本能的なものといえるでしょう。しかし、本能も「超自我」の存在によって、これを克服することが出来るのです。（ポール・D・マクリーン「３つの脳」より。）

　なお、「超自我」とは「やってはいけないことは、やらない」とする自身の行動規律のことを指します。普通の人は、「誰も見ていなければ、これ位ならやっても大丈夫か。」と考えるのです。例えば、全く車が走っていない道で歩行者信号が赤であった場合、誰も見ていないし、車も走っていないのだから渡っちゃおうと考えるのが超自我を持っていない普通の人です。これに対し、超自我を持っている人は、誰も見ていなくとも、悪いことはできないですし、社会のルールは守るのです。ですから、青信号にならなければ渡らないのです。

　この「超自我」は、両親からの厳格な躾けか、宗教的なマインドコントロールによってのみ身につくとされています。

　超自我が、恋愛結婚の方に多いのか、お見合い結婚の方に多いのかは定かではありませんが、お見合い結婚の場合の離婚率の低さと男女ともに離婚原因の上位が浮気や暴力、精神的虐待など自身の行動規律に問題があると考えられることから考えて、お見合い結婚する方のほうが超自我を持っている（言い換えれば、ご両親からとても清廉に教育された）と言えるのではないでしょうか。

　お見合い結婚の場合、絶対に譲れない部分は明確にしてお相手を選んでいます。例えば、両親との同居や、子供さんの教育方針、経済的な価値観、趣味などです。
　そして、価値観が同じ方を対象に交際がスタートしますから、結婚しても価値観は変わらないので、「ここが違った。」という部分が少ないのだと思います。
　恋愛結婚の場合、「愛は盲目」になりがちです。相手の欠点を見ようとしないのです。いえ。見えないのです。だから、結婚すると、意外な事実が分かったりして、「こんな筈じゃなかった。」ということになりがちなんだと思います。
　例えば、DVでも、おつき合いしているときは、短気で暴力的な彼を「こんなに愛してくれているんだ。」とか「私だけを見てくれている。」挙げ句の果ては、そんな姿を「カッコいい。」なんて勘違いしてしまうのです。まさに「あばたもえくぼ」です。結婚して、冷静に見られるようになると、それは「DV」以外の何物でも無いことに気づくのです。  

恋愛結婚の場合、好きだと思った方に振り向いてもらうことが最初のゴールになっているような気がします。その想いが叶い交際が始まれば、その炎は持続しますが、結婚する頃には実はかなり冷めてきているんですね。
　恋愛結婚の場合、結婚を目標に交際がスタートしたわけではないので、結婚を意識し始めてから決断するまでに色々なことを考えてしまうようです。代表的なものを挙げれば、「経済的にやっていけるのか」とか、「自由を手放してしまうのではないか？」とかいった不安要因です。そんなことから、男性側からはなかなか「結婚」という２文字を言い出せずに、いたずらに交際期間だけが長くなっていきます。そんな状況にしびれを切らせた女性側から結婚を促す場合が多いそうです。男性側も仕方ないなといった気持から結婚に踏み切るケースが多いそうです。ですから、結婚生活が始まる前から倦怠期が始まってしまう夫婦も珍しくないのです。これに対し、お見合い結婚の場合は、結婚を最初から目標にしていますから、不安要因などは解決した上で結婚に向かうのです。また、目標の先のゴールは楽しい夫婦生活ですから、倦怠期などに陥らずに夫婦で楽しい結婚生活を模索していけるのだと思います。